森林インストラクター東京会が社会貢献活動の一環として実施している、毎月第一土曜日に月毎に異なる七つのコースで高尾山に登り、自然観察と山頂や登山道のゴミ拾いを行うボランティア活動「高尾山GREEN CLEAN作戦」第168回を6月7日（土）に「蛇滝～吊り橋コース」で実施しました。

　当初の案内では「いろはの森コース」でしたが、危険木処理作業で通行止めのため「蛇滝～吊り橋コース」に変更になりました。

　　GC作戦スタッフ卒業後の初参加、スタッフ外での参加は10年ぶり？参加者側から見る活動風景は新鮮でした。

　早着組が小仏関跡公園でホトトギスの声を聞きセンダンを仰ぎレジ袋いっぱいに落ちた梅の実を詰め込んでいると、高尾駅から歩いて来たFITメンバー到着。後続バス組も無事到着で開会式。涼しい木陰に集まる。R6天野さんじっくり体操で身体をほぐし、集合写真撮影後スタート。我班長は甲州古道に造詣深く、江戸五街道と小仏関所跡の往時の様子が目に浮かぶ解説で小学生も身を乗り出す。

　小仏川遊歩道は木陰涼しく沢音に心が和む。マテバシイの栗花落香に季節を感じる。サイカチの下に幼樹あり細かい羽状複葉と棘を確認。児童向けにサイカチとムクロジの泡発生実験。実験ペットボトルを持ち帰ってくれるほど興味を持ってくれた様子。

 　クワの暗紫色と赤色の実の味くらべ、大人も子どもも次々手が伸びる。イロハカエデの赤いプロペラと新緑、揺らぐ木漏れ日に目を細め、カジカの声を追い姿を見つけ暫し佇む。水辺に下り水温を測ると16.9℃、ビールを冷やすには高く水浴びするには冷たい温度だった。

　蛇滝入口、異様に育ったムサシアブミにギョッ、可憐なユキノシタを拡大鑑賞。蛇滝水行へ向かう方を見送り、九折の坂の数字を確かめながら休憩と水分補給を繰り返しゆっくりと登る。キビタキとメジロの声あるも鳥少なめ。代わりにアサギマダラが優雅に飛翔。

　最後の九折まで頑張って登ってくれた最年少参加者が暑さを訴えて顔色や体温を確認、冷えピタなどで応急処置。持参のお茶ではなくスポーツ飲料をお勧めするも自販機が釣り銭切れで使用中止。この人出では高尾山中での機能性飲料補給は当てにならない。要常備。他の飲料を入手摂取、大事をとり十一丁目茶屋から安全管理スタッフと共に家族で下山、599も昼食も楽しまれたとの連絡でホッとした。　

　浄心門手前から4号路へ下り、タカオヒゴタイ、アワブキ、ガマズミなど観察。班間の時間差が適当に生じており全員樅ノ木広場のベンチに座って昼食。1号路に合流、山頂下トイレ(2階も使用可能)休憩後、富士道を下山。ウツギ、コバノガマズミ、間近でウメガサソウ、ピンクの濃いイナモリソウを観察、薬王院宿坊の庇の下では｢ぐるるるる～！｣と数回ムササビの声を聞くことが出来た。昼間なので｢イビキでは？｣との声に｢そうかも！｣と大笑い。ついでにムササビの緑のフンを探したが残念みつからず。今後も教わったフンポイントを心がけ探してみたい。

　やや疲れが見えて来た参加者の方がリフト下山を希望するも、見たこともない長蛇の列が坂上まで続いており諦め、他スタッフに連絡した上、皆で一緒にゆっくり下山。とはいえ、傘の骨も含めご当人が一番沢山のゴミを拾って下さり、最後に班で記念撮影時の笑顔も素敵で「また来月もよろしくお願いします！」と喜んで頂けたご様子に、班長もスタッフもホッと安堵。

　蒸し暑さの中、上り下り多く距離も長いコース、数日前の低温から一気に高温となったこともあり、きつく感じた人が多かった。今後は6月の実施コースも要検討。

【拾ったゴミ】可燃ごみ20ℓ 1袋、不燃ごみ45ℓ 1袋、資源ごみ(ペットボトル) 20ℓ１袋

【主な観察記録】(観察順･記載無しは花)　梅(果実)、センダン(落花)、ホトトギス(声)、ハクチョウゲ、ニワゼキショウ、ブタナ、イヌツゲ、小仏関所跡、キンカン(果実)、八重ドクダミ、オリーブ、マテバシイ、コクサギ(葉序、香)、カラスザンショウ(香)、ハナウド(果実)、クサイチゴ(果実)、カジカガエル(声、姿)、アゲハモドキ(蛾)、ヤブミョウガ(葉)、ミョウガ(葉)、ニガナ、ハナニガナ、ゼンマイ(葉)、サイカチ(葉･豆鞘･幼樹)、小仏川(水温)、ヒメコウゾ(果実)、ヒメジョオン、マグワ(果実)、ヤマグワ(果実)、モミジイチゴ(果実)、シロツメクサ、イロハカエデ(果実)、ロウバイ(果実、割った中の種子)、ムサシアブミ(果実)、ギンレイカ、サイハイラン、ユキノシタ、ヤマアジサイ、ハエドクソウ、ツルギキョウ(葉･蔓)、イイギリ(落雄花)、タカオヒゴタイ(葉)、アワブキ(葉･食痕)、ガマズミ、カヤ(葉･幹)、マルバウツギ、センノキ(ハリギリ･棘)、ウツギ、コバノガマズミ、ウメガサソウ、イチヤクソウ、イナモリソウ、サイハイラン、ムササビ(声)、コバノタツナミ(果実･種子飛ばし)、ツチアケビ(蕾)、オオバギボウシ、サワハコベ、トウゴクシソバタツナミ、ヒダリマキマイマイ、セッコク、タカオスミレ(花後の葉)、コミヤマスミレ(花後の葉)、モリアオガエル(卵塊)、など。