高尾森林ふれあい推進センター協定イベント・森林インストラクター東京会実施
高尾山紅葉ハイキング
20201124日(火)


人間誰しも年齢や、みかけだけで判断してはいけない。今回の参加者の中での長老は80歳、次いで79歳のご婦人がおられスタッフでサポート体制も必要と考えていたが正に杞憂であった。足取りも軽く、お一人で山に登ってトレーニングをされているご様子。

高尾山口駅近くの小公園で開会式と体操を済ます。ケーブル高尾山駅で各班長からブリーフィングを受け参加者の自己紹介が済んでからいよいよ出発。連休の込み具合をテレビでみて一番心配したのが迷子、これも杞憂だった。連休明けの平日で、しかも今年はコロナ禍のせいか8名のキャンセルが出て最終参加者は22名。おかげで各班4~5名体制で最後尾の参加者でもインストラクターの解説がしっかりと聞こえる。

ブナとイヌブナを観察しながら葉の測脈数の違いにブナのセブンイレブン(711)と。イヌブナは、鉄道の日1014日と覚えたものだ。けなげに未だ咲いている黄色のヤクシソウを眺めながら上を見れば赤いメグスリノキと黄色のチドリノキがある。いずれもカエルデの形ではない。

浄心門から4号路に入る。下山者とすれ違う頻度もいつもより少ないし、みやま橋の揺れも少ない。モミノキ広場で一息入れてから白の3兄弟(ウラジロガシ、シロダモ、ウラジロノキ)の話、カヤとアカガシのラブラブの木の解説後は美人ブナの登場となる。階段ルートで1号路に出て豪華トイレで用を済ませてもらってから頂上へ。それほどの込み具合ではないが残念ながら富士山は胸を出しても顔を見せてくれなかった。

もみじ台で昼食後、長い階段をお花道の入り口まで降りる。3種類のアザミの話、センボンヤリと閉鎖花の解説があったが、下見の際に見つけたツルリンドウが見当たらない。残念至極。センブリの小さな可愛い花があり名前の謂れを説明しお花道に入る。

正月の注連飾りに使用するウラジロの理由やサルトリイバラの別名をサンキライともいうのを覚えて頂く。坂の途中にキササゲの実が一つ残っていた。木編に春・夏・秋・冬と書いて読みが難しいのは秋のキササゲだ。キジョランの葉裏にアサギマダラの幼虫を見つけることが出来たがどうしてもキジョランの実だけは見つからなかった。

こぶしの木を過ぎてからツルニンジン(バアソブ)を見て6差路で休憩、ビナンカズラの実を見る。江川杉を通り過ぎる際に高尾に4つのスギという名前(タコスギ、天狗の腰掛けスギ、飯森スギ、江川杉)の話しが出る。富士道を通過してもカツラの匂いが漂ってこない。未だ未工事のトイレ下水菅の臭いに鼻がやられたか?

男坂、女坂の間にある仏舎利塔の紅葉を見学後、苦の文字をデザインした口の部分を抜けるので「苦抜け門」、「三密」の54段の階段を通って男坂の上に出る。三密を極力避けてハイキングしているのにこの三密とは真言宗の教えで正しい「行い」、「言葉」、「心」の意味で「身密」、「口密」、「意密」とのこと。

浄心門で本日も無事にハイキングが出来たこと、イロハモミジはじめイタヤカエデ、オオモミジ、カジカエデの他にも沢山の葉の紅葉、黄葉を見学できたことにお礼し、霞台の広場で班ごとに振り返りを行う。最後に参加者にアンケートに記入して頂いて解散。各班45人の参加者に対して博学揃いのインストラクターによる個人教授のような解説で皆さん終日アツトホームの雰囲気で大満足のハイキングとなった。


一般参加者: 22

班長: 原田博雄(代表幹事)、滝浪邦子、市川美保子、吉田久美子、杉本尚隆

アシスト: 山口茂、伊藤謙二(報告)


いざ出発、それほど混んでいない

高尾山駅で各班長から本日のブリーフィング

紅葉、黄葉の中を進む


班長のインストラクションを熱心に聞く

グラデーションが美しい

アンケートに記入後解散


苦抜け門、三密の道

芸術?それとも悪戯?



森林ふれあい推進事業「協定イベント」とは、林野庁関東森林管理局長と協定を締結した団体の主催するイベントのことで、自然豊かな高尾山で楽しく自然とふれあうことを主な目的にしています。 平成30年度の協定団体については森林インストラクター東京会(FIT)をはじめ5団体が登録されています。『森林ふれあい推進事業』の年間計画などについては関東森林管理局の該当ページを参照してください。