9月10日実施 田園調布学園土曜講座


【タイトル】田園調布学園土曜プログラム 「植物の香りとその歴史とフルーツポマンダー作り」 

【場所】田園調布学園

【参加者】18 (1:6名、中2:3名、中33名、高16)

【講師】臼井治子

【スタッフ】小勝眞佐枝、鈴木幸代(報告)


前半は講義で、スパイスの歴史から始まりました。古来スパイスはインドや中国で栽培されていましたが、肉の腐臭を消し、また防腐効果があるので、ヨーロッパでも生活に不可欠のものとなり、かなり高価なものとして取引されていました。ヨーロッパでは4大スパイスを求め、大航海時代に入り、権益を確保をする為にスパイス戦争まで発展した歴史がありますが、植民地で栽培を始めるなどして、スパイス戦争は終結したようです。そして実際に4大スパイスのコシュウ、シナモン、ナツメグ、クローブがどんな植物か、その香辛料としての効能なども説明され、最後にオレンジポマンダーについて話しました。

 

ポマンダーとは、ラテン語で「アンバーのリンゴ」という意味で、ヨーロッパでは13世紀から18世紀にかけ、金や銀の透かし彫りの容器に香料を入れて、悪臭や厄病除けとして腰や首から下げていたようで、16世紀を過ぎるとオレンジ、リンゴ、レモンといったフルーツにクローブを一面にさして、香料をまぶして乾燥させたものになりました。

 

後半はオレンジポマンダー作りです。生徒達に用意されたものは、それぞれオレンジ1個、クローブ70gと竹串、シナモンパウダーとビニール袋です。新聞紙の上で、オレンジの表面に竹串で穴をあけ、その穴にクローブを入れ込んでいきます。隙間があるとそこから腐る可能性もあるので、隙間のないように入れ込みます。単純作業ですが、生徒達は思い思いに自分だけのポマンダー作りに集中し、無心に作業を進めます。そのうちにオレンジとクローブの香りが教室中に広がり、とても豊かな気分になりました。オレンジ全体にクローブをさし終わったら、シナモンパウダーが入っているビニール袋にオレンジを入れ、全体にシナモンがいきわたるようにまぶします。今回はここまででしたが、家に帰って、ビニールからオレンジを出して1か月ほど乾燥させれば出来上がりとなります。オレンジにリボン等を結べば、素敵なオーナメントとなり、家の中が豊かな香りに包まれきっと満足されることでしょう。