2023年8月「低山はいかい」

尾瀬の自然と歴史を訪ねる

(2023828(月)・29(火)実施)

 

場所】尾瀬:鳩待通・長沢林道・尾瀬ヶ原

鳩待峠〜横田代〜中原山〜アヤメ平〜富士見田代〜長沢新道〜尾瀬ヶ原・竜宮〜下田代・見晴(泊)

〜東電尾瀬橋〜東電小屋〜ヨッピ吊橋〜牛首三叉路〜牛首〜山の鼻〜鳩待峠


実施概要:尾瀬は、福島、新潟、群馬の三県にまたがる尾瀬ヶ原や尾瀬沼を中心とする地域で、阿賀野川水系最大の支流、只見川の源流域です。尾瀬国立公園は、2007年には会津駒ヶ岳や帝釈山・田代山などの周辺地域を編入し、日光国立公園から分離して成立しました。多くの高山性の植物が生育し、植生、気候、自然史、自然保護や水利権問題の観点からも興味深い所です。今回は鳩待峠から尾瀬ヶ原南側のアヤメ平・富士見田代への稜線を歩き、尾瀬ヶ原へと下り、尾瀬ヶ原での竜宮現象や拠水林、池塘形成の歴史、そして自然保護への取り組みの足跡などを観察しながら山歩きに親しみました。写真:第二長蔵小屋前で


二日間とも天気に恵まれた山行であった。初日は上毛高原駅から路線バスで尾瀬戸倉に向かい乗合タクシーで鳩待峠に入る。荷物を整え、休憩所裏の急坂を登る。暫くすると木道になり、ブナやダケカンバの森を歩くと涼風に遭う。横田代の池塘に出ると視界が開け、後方には至仏山、雲間に巻機山や平ヶ岳、燧ヶ岳が次々と姿を見せる。ルートの稜線は利根川と只見川の分水界である。最高地点の中原山を越えると広々としたアヤメ平の湿原に出た。ここは昭和20年代のNHKラジオで「夏の思い出」が有名になり「天上の楽園」と呼ばれ、多くの人が訪れた。そのため荒廃したが、今は木道の整備も進み美しい湿原や池塘が復活している。人影はまばらで、早くも湿原は草紅葉になり始めキンコウカの花は殆ど終わっていた。長沢に沿う登山道を竜宮に下り、尾瀬ヶ原の木道を進む。見晴に到着すると紫色のオクトリカブトが出迎えてくれた。第二長蔵小屋泊。

二日目は見晴から東電小屋、牛首分岐を経て山の鼻から鳩待峠に向かう。東電尾瀬橋から只見川を覗くと、拠水林に沿う川の水量はとても豊富である。この水は奥只見湖・田子倉湖などの奥只見の電源開発のダムを経て阿賀野川となり日本海に流れ込む。かつてこの広大な高層湿原がダムの底に沈む計画があったが中止になったという。東電小屋を過ぎると尾瀬ヶ原の視界が開けてきた。ヨッピ吊り橋を渡り木道を進むとあちこちに白く小さなイワショウブの花が風に揺れ、足元にはワレモコウ、エゾリンドウ、アケボノソウ、クロバナヒキオコシ、オゼミズギク、ゴマナ、ミヤマアキノキリンソウ、サワギキョウ、モウセンゴケなど多くの植物が佇む。池塘では赤味を帯びてきたヒツジグサの葉の上に蕾が幾つも見られたが、昼頃にならないと花は咲かないらしい。山の鼻で休憩、植物研究見本園を見学後、花豆ソフトクリームで元気を出して鳩待峠へ。正午には鳩待峠に到着。マイクロバスで沼田駅に向かい、解散。(写真:①牛首三叉路で燧ガ岳を背景に、②アケボノソウ


参加者:15名 飯塚(幹事)、福田、福重、鈴木、石井、伊藤、入江、臼井、小川()、小菅、田川、中林、廣川、丸山、古谷(報告)