2022年8月「低山はいかい」

玉原高原の植物と自然に親しむ

(令和4年8月28日(日)・29日(月)実施 )
【場所】群馬県沼田市玉原高原

(一日目) 玉原高原センタ〜ハウス〜玉原湿原〜玉原越分岐〜長沢ルート経由ブナ平〜センターハウス〜玉原ペンションビレッジ

(二日目) 玉原ペンションビレッジ〜鹿俣山・スキー場方面分岐〜ブナ平方面分岐〜鹿俣山〜ブナ平方面分岐〜ブナ平〜玉原高原センターハウス


沼田駅よりタクシーで玉原高原センターハウスに。開会式後1230分に出発。ほどなく「ブナの湧き水」で、清冽な水で喉を潤す。案内に従い玉原湿原へ。湿原内のデッキで昼食をとる。30年に及ぶ湿原回復事業についての説明を幹事より聞く。湿原では、苦慮する鹿の食害対策としてネットで囲いその効果を検証していた。一部でヌマガヤやオゼヌマタイゲキが目立つ一方、ウメバチソウ、タムラソウやオクトリカブトが色を添えていた。

 

散策道周辺の林内はブナが優先する。ブナ平に近づくとブナの純林かと思うほどのブナ林となる。樹齢数百年の大木を含め様々な樹齢のブナが生え、森の更新は順調である。

トチノキやミズナラ、シナノキやカエデ類が混生し、林床をササが覆う。沼田の木百選に選ばれたシナノキやミズメもあり、混生する樹木も立派である。林を抜け林道に戻ったところでミズナラに熊棚を発見、一同大いに盛り上がり初日を終えた。

 

二日目、天候は安定、快適な一日だった。スキーゲレンデ東側の緩く歩きやすい道を登る。アサノハカエデ、アスナロ、ツルアジサイ等多様な樹木を見る。アズマシャクナゲの群生地では、花期の見事な開花の様子を思い描く。標高が上がるとダケカンバが多くなる。高度や地勢等によりかわる植生の不思議さを感じる。

標高1,637mの鹿俣山山頂は晴れていたが、雲により遠望はなく、期待の上州武尊山は見えない。下山途中、ゲレンデ上部の開けた場所で昼食をとる。爽やかな風が心地よい。

 

風に誘われたのか、見たことのない色彩の蝶が参加者の帽子にとまった。貴重なキベリタテハと教えていただいた。なだらかな下りの先はブナ平で、昨日と同じルートでセンターハウスに向かう。玉原高原は関東地方に位置するが気候により日本海要素の植物が多く、いつも見慣れている東京近郊の植物とは異なるものを数多く見た。玉原高原には600種の植物があるといわれ、個別に見るのも良いが、関東地方有数といわれるブナの林は見事なもので、それとの兼ね合いでのマクロ的な自然観察も実に価値あるものと思う。(写真:上より玉原湿原で、ブナ平のブナ林、鹿俣山山頂で


参加者:FIT会員15名

飯塚(幹事)、入江、加古、小菅、小日向、瀬川、田口、長岡(FIT ML報告)、中林、浜畑、廣川、福重、丸山、三井、宮入