2025年8月低山はいかい
花の湯ノ丸高原、烏帽子岳と池の平湿原をあるく
2025年8月31日(日)~9月1日(月)
湯ノ丸高原:地蔵峠を起点に烏帽子岳登山と池の平湿原とその周囲を探訪する
花の高原として有名な湯ノ丸高原を烏帽子岳、池の平湿原と歩いた。初日は地蔵峠から烏帽子岳への標高差430m、所要時間5時間半の往復で、2日目は池の平駐車場から見晴歩道を見晴岳、三方ケ峰ヘ、その後池の平湿原へと下り、湿原内を元に戻るという3時間ほどの行程であった。ともに天気にも恵まれ、観察と眺望に相応しい日であった。また、各々の日の活動終了後の「振り返り」は、参加者の親睦を深める良い機会となった。
湯の丸高原は北陸新幹線の佐久平駅からホテルの送迎バスで一気に標高1,730mの地蔵峠に到着できるアクセスの良いところです。初日は、地蔵峠から烏帽子岳への往復で、通常のコースタイムでは約4時間のところを、5時間半をかけて五感をフルに使いながら観察と山歩きを楽しみました。2日目は、ホテルのバスで、標高2,021mの池の平駐車場まで約300mの標高差を一気に稼ぎ、そこからスタートしました。三方ヶ峰火山の火口壁に沿って見晴歩道を歩いた後に、火口原が湿原化した池の平湿原に降りて、湿原内を通り駐車場に戻るルートでした。
都会の暑さと喧騒を忘れ、涼風に吹かれてのハイキングとなりました。見晴岳(2,095m)からの360度の眺望はその山名に違わず素晴らしく、霞が大いに展望を阻む状況でしたが、八ヶ岳、木曽御嶽山、乗鞍岳、槍・穂高連峰、近くの四阿山、浅間山などの山々を歓声をあげながら確認していました。
さらに、湯の丸高原は火山地形が卓越し、山岳展望にも優れ、また多くの高山植物を目にすることができた素晴らしい場所でしたが、地蔵峠は日本の中央分水嶺が通る所であり、信州と上州を結ぶ重要な峠の1つでした。道筋には100体の観音が安置され、そのご利益にあずかれることを信じ行き交った往時の人々の信仰心にも触れることができました。(写真:雲上の丘で)
参加者: 21名 飯塚、石井(由)、入江、上野、小田野、加古、小日向、五島(和)、嶋田、鈴木(幸)、高橋(喜)、田川、田中(清)、浜畑、日比(幹事)、平野、廣川、福重、古谷、松井(報告)、森
追記:湯の丸高原の植物や昆虫を訪ねて
湯の丸高原の植物は、気候的な要因もあり多様です。振り返りで観察した植物や昆虫を確認したところ100種程にもなり、さすが「花高原」の面目躍如でした。その中で皆さんにあげていただいたものの一例として以下の植物や昆虫があります。
1. 花のあったもの: アキノキリンソウ、イワインチン、イブキジャコウソウ、エゾリンドウ、ウメバチソウ、オヤマリンドウ、コマクサ、シャジクソウ、トモエシオガマ、ハナイカリ、ハンゴンソウ、ハバヤマボクチ、ホツツジ、トリカブト、タムラソウ、ツリガネニンジン、ミヤマモジズリ、マツムシソウ、ヤマオダマキ、ヤマハハコ、ヨツバヒヨドリ、ワレモコウ、ハクサンフウロ
2. 実がついていたもの:ズミ、エゾノコリンゴ、オオカメノキ、ガンコウラン、クロマメノキ、グンバイヅル、シラタマノキ、ミヤマシグレ、ミヤママタタビ、ヤナギラン(花も咲いていました)
3. 昆虫:クジャクチョウ、ベニヒカゲ
◆このほかにも樹木は、ミネザクラ、ナナカマド、ヤハズハンノキ、ミネヤナギ、シラカバ、ダケカンバなどが、針葉樹はカラマツを主体にコメツガ、ゴヨウマツ、シラビソなどの樹木がありました。特に、カラマツはその見事な天然林を地蔵峠から奥一帯で目にすることができます。